Septic Tank (セプティックタンク)とはいったい何?

古泉明子

家を売却する際、その家にはどのような設備やアイテムが備わっているのか、売主は買主に事前に知らせる必要があります。そのため、売主には Transfer Disclosure Statement(TDS) という情報開示書類に様々な情報を記入して頂くことになります。

売主は、住宅に備わっている設備や過去の状況などについて、該当する項目にチェックを入れていくのですが、先日、私自身初めて Septic Tank」 の項目にチェックが入っている物件に関わる機会がありました。

(上記は、Transfer Disclosure Statementの一部を抜粋したものです。実際のクライアントの書類ではありませんが、各アイテムに関して、家に備わっていればチェックを入れます。物件の状態を保証するものではありませんが、買主はそこに記載された情報を、購入するかどうかの判断材料として利用します。そのため、売主が把握している事実についてはできる限り正確に開示することが大切です。)

Septic Tank とは?

エリアによっては、あまり馴染みのない言葉かもしれません。

Septic System(セプティック・システム)は、日本の「浄化槽」に似た、公共下水道が整備されていない住宅で使われる個別の汚水処理設備です。

アメリカの郊外など、公共の下水道(sewer system)が通っていない地域では、住宅ごとにSeptic Systemが設置されていることがあります。通常、キッチンから流れる水、シャワーやお風呂の排水、トイレを流した後の水など、家から出る排水は下水管を通って公共の下水道へ流れていきます。ところが、下水道が整備されていない地域では、それぞれの住宅に設置されたSeptic Systemが、その役割を担います。

実はロサンゼルス周辺でも、こうした住宅は意外とあります。Septic Systemがある=郊外に立地している=家も安い、とは限りません。特にPalos Verdes area (ロサンゼルスから少し南に下った丘陵エリア)では、オーシャンビューの高価格帯の住宅でもSeptic Systemを使用している物件が比較的よく見られます。特にこのエリアは公共の下水道が十分に整備される前に住宅地として開発されたエリアであることに加え、傾斜や起伏の多い地域でもあるため、場所によっては公共の下水道を整備するよりも、各住宅でSeptic Systemを利用する方が現実的だったという背景もあります。

地面の下には何がある?

Septic Systemがある住宅では、敷地内にこのようなマンホールのような蓋が設置されています。

(参考写真)

この蓋を開けると、地中には大きなタンクが埋められています。タンク自体はコンクリートやポリウレタン、ファイバーグラス製が主流で、住宅から出た排水はこのSeptic Tankに入り、タンクの中で固形物などを沈殿させます。その後、液体部分が別の排水・浸透エリアへ流れ、土壌を通して処理されていきます。

(参考写真)

つまり、公共下水道がない代わりに、自分の家の敷地内にある設備で排水を処理しているというイメージです。ただし、すべてがそのまま流れていくわけではありません。そして、タンクの中には固形物が少しずつ蓄積していくため、定期的なメンテナンスが必要になります。一般的には、家族の人数や使用状況にもよりますが、3年から5年程度を目安にSeptic Tankの点検や汲み取り(pumping)を行うと良いそうです。

これを長期間放置すると、タンクが満杯になり、排水が正常に流れなくなったり、最悪の場合には汚水が地上にあふれてしまうこともあります。

(参考イラスト)

何十年も前に設置されているタンクと現在とでは違いもあると思いますが、住宅から出た排水が左側の流入パイプからタンクに入り、同タンク内で固形物などを沈殿させた後、液体部分のみが次のチャンバーへ流れ込み、最終的には土壌、地中深くへと浸透していくしくみです。

家を売る時には検査、汲み取りをすることも

Septic Tankがある住宅を売却する場合、買主側からSeptic Systemの検査や、タンク内の汲み取りを求められることがあります。今回の物件でも、Septic Tank専門の会社に依頼して、検査とポンプ車で汲み取りを行いました。幸い、検査では特に問題も見つからず、作業開始から約一時間半ほどで、ポンプ車も帰っていきました。普段は見ることのない設備なので、私にとってもなかなか興味深い経験でした。

Septic Tank のある家で気を付けること

Septic Tankは、きちんとメンテナンスをしながら使っていくことが大切です。今回お世話になったSeptic Tank専門の会社からのアドバイスによると、例えば、

  • 自然に分解されやすいCleaning Products(洗剤)を使用する
  • 節水型の水回り設備を使用する
  • 油やコーヒーかすなどを排水口に流さない
  • 一日に何度も洗濯機を回すことを避ける
  • Garbage Disposal(ディスポーザー)の使用をできるだけ控える

など、Septic Systemに負担をかけない使い方が大切だそうです。もちろん、これらは通常の公共下水道がある住宅でも、排水管をきれいに保つために気を付けたいことですね。

不動産の仕事をしていると、たとえ隣同士で立っている家だとしても、それぞれ家のつくり、状態は本当にさまざまで、毎回新しい発見があります。また一つ、新しいことを学ぶことができて、とても勉強になりました。

ロサンゼルスでの不動産売買・リースについて、お客様の安心・安全を第一に丁寧にサポートしております。どうぞお気軽にご相談ください。

古泉明子 Akiko Koizumi

DRE#02236950

TEL: 310-920-8666 / Email: [email protected]

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