~今の家を売る前に、次の家を購入する方法~
Lisa Briles(りさ・ブライアルズ)

こんにちは。
Person Realtyの不動産エージェント、Lisa Briles(りさ・ブライアルズ)です。
南カリフォルニアで住宅の買い替えを考えている方から、よくこのようなご相談をいただきます。
「今の家を売らないと、次の家の頭金が用意できない」
「気に入った家が見つかったけれど、今の家はまだ売れていない」
「今の家を先に売ってしまうと、次の家が見つかるまで仮住まいが必要になってしまう」
住宅の買い替えでは、現在の家を売るタイミングと、次の家を買うタイミングをどう合わせるかが大きなポイントになります。
そこで選択肢の一つになるのが、Bridge Loan(ブリッジローン)です。
Bridge Loanとは、現在所有している住宅のEquity(エクイティ/純資産)などを活用し、現在の家を売却する前に次の住宅を購入するために利用される短期融資です。
今回は、Bridge Loanの基本的な仕組み、メリットと注意点、さらにBridge Loan以外の買い替え方法まで、南カリフォルニアで初めて買い替えをされる方にも分かりやすくご説明します。
1.Bridge Loan(ブリッジローン)とは?
Bridge Loanとは、文字どおり、現在の住宅から次の住宅へ移るまでの資金を「橋渡し」する短期ローンです。
現在の住宅に十分な資産価値があっても、売却するまでは、そのEquityをそのまま現金として利用することはできません。
そこで、一定の条件を満たす場合には、現在の住宅のEquityなどをもとに融資を受け、その資金を次の住宅の頭金や購入資金の一部などに利用できることがあります。
その後、現在の住宅を売却し、売却代金からBridge Loanを返済するという流れが一般的です。
たとえば、
現在の住宅価値:$1,500,000
現在の住宅ローン残高:$500,000
の場合、単純計算では、
$1,500,000 − $500,000 = $1,000,000
となり、約$1,000,000のEquityがあります。
ただし、Equityが$1,000,000あるからといって、その全額を借りられるわけではありません。
実際の融資額や条件は、現在の住宅価値、住宅ローン残高、LTV・CLTV、収入、クレジット、資産、毎月の債務、次に購入する住宅価格、金融機関の融資条件などによって異なります。
2.なぜ買い替えでBridge Loanが役立つの?
買い替えでよく問題になるのが、
「現在の家にはEquityがあるけれど、次の家を買うための現金がまだ手元にない」
という状況です。
現在の家を先に売却すれば、その売却代金を次の住宅の頭金として利用できます。
しかし、次の住宅がまだ決まっていなければ、一時的な賃貸住宅やホテルが必要になったり、荷物をStorageへ預けたり、2回引っ越しをしたりする可能性があります。
Bridge Loanを利用できれば、
現在の家 → 新しい家
と直接移動できる可能性があり、現在の住宅の売却と次の住宅購入のタイミングを調整しやすくなります。
3.Bridge Loanを利用した買い替えの一般的な流れ
Step 1 現在の住宅価値とEquityを確認する
まず、現在の住宅の市場価値、住宅ローン残高、Equity、売却した場合の予想手取り額を確認します。
不動産エージェントは、周辺のComparable Sales(類似物件の成約事例)などを参考に、現在の市場状況と住宅価値を確認します。
Step 2 ローン担当者へ相談する
次に、Bridge Loanを取り扱うLenderまたはMortgage Loan Originatorへ相談します。
借りられる金額、LTV・CLTV、金利、手数料、ローン期間、毎月の支払い、返済条件、現在の住宅売却に関する条件などを確認します。
次の住宅を探し始める前に、
「現在の家を売却する前に、自分の場合どの程度まで次の住宅を購入できるのか」
を把握しておくことが大切です。
Step 3 次の住宅を探して購入する
資金計画が確認できたら、次の住宅を探します。
Bridge Loanを利用できる場合、現在の住宅の売却完了を待たずに、購入オファーを出せる可能性があります。
Step 4 新しい住宅へ引っ越す
次の住宅を先に購入できれば、新しい住宅へ引っ越した後に、現在の住宅の売却準備を進めることができます。
不要な物の整理、ペイント、必要な修理、Deep Cleaning、Staging、プロによる写真撮影なども行いやすくなります。
Step 5 現在の住宅を売却する
現在の住宅が売却されたら、通常は売却代金から既存住宅ローン、Bridge Loan、売却に伴う諸費用、その他必要な精算などを支払います。
それらを差し引いた残額が、Net Sale Proceeds(売却後の手取り金)となります。
4.Bridge Loanのメリット
Bridge Loanの大きなメリットは、現在の住宅を売る前に次の住宅を購入できる可能性があることです。
人気物件が見つかった場合でも、現在の住宅の売却完了を待たずに購入へ動けることがあります。
また、資金計画によっては、購入オファーにHome Sale Contingency(現在の住宅が売却できることを購入条件とする条項)を付けずに済む可能性があります。
複数のオファーが入っている物件では、不確実性の少ないオファーの方が売主にとって魅力的に見える場合があります。
さらに、
現在の家 → 新しい家
と直接引っ越せる可能性があるため、仮住まいや2回の引っ越しを避けやすくなります。
新しい住宅へ先に移ることができれば、現在の住宅を空き家にしてからStagingや必要な修理を行うことができ、売却準備をしやすいというメリットもあります。
5.Bridge Loanのデメリットと注意点
Bridge Loanは便利な方法ですが、すべての方に向いているわけではありません。
短期融資のため、一般的な長期住宅ローンより金利や手数料が高くなる場合があります。
また、現在の住宅が売却されるまで、現在の住宅ローン、Bridge Loan、新しい住宅ローンなど、複数の支払いが一時的に重なる可能性があります。
もう一つ重要なのが、現在の住宅が予想した価格や期間で売却できないリスクです。
たとえば、$1.5Mで売却できることを前提に計画していても、実際には$1.45Mや$1.40Mになる可能性もあります。
そのため、
「想定より少し低い価格で売却しても、資金計画が成立するか」
まで事前に確認しておくことが大切です。
Bridge Loanは短期融資ですので、
「いつ、どの資金で返済するのか」
というExit Strategy(返済計画)をあらかじめ明確にしておく必要があります。
6.Bridge Loan以外にもある買い替え方法
住宅の買い替えでは、Bridge Loanだけが選択肢ではありません。
現在の住宅のEquity、次の住宅を購入する時期、市場状況などによって、ほかの方法が適している場合もあります。
① 現在の家を先に売却する。
最もシンプルな方法です。
現在の住宅を先に売却すれば、売却後の手取り金額が確定してから次の住宅を購入できます。
資金計画を立てやすい反面、次の住宅がまだ決まっていなければ、仮住まいが必要になる場合があります。
② Home Sale Contingencyを付けて次の住宅を購入する
現在の住宅が売却できることを条件として、次の住宅へオファーを出す方法です。
買主にとっては資金面のリスクを抑えやすい方法ですが、複数のオファーが入っている物件では、売主がContingencyのないオファーを好む場合があります。
③ 現在の家を先に売却し、Seller Lease Back/Rent Backを利用する
現在の住宅を先に売却した後も、買主の同意を得て、一定期間その住宅に住み続ける方法があります。
一般的に、Seller Lease BackまたはRent Backと呼ばれます。
たとえば、
現在の住宅を先にClosing 、 売却代金を受け取る 、一定期間、買主からその住宅を借りて住む 、その間に次の住宅を購入 ↓ 新しい住宅へ引っ越す
という方法です。
この方法であれば、現在の住宅を先に売却して資金を確定させながら、すぐに仮住まいへ引っ越さずに済む可能性があります。
ただし、Seller Lease Backは買主側の同意が必要です。
期間、賃料、Security Deposit、費用負担、保険、物件の状態、退去日などの条件を、事前に書面で明確にしておくことが重要です。
また、買主がすぐに入居したい場合などには利用できないこともあります。
④ HELOCを利用する
HELOCはHome Equity Line of Creditの略で、現在の住宅のEquityを利用したクレジットライン型の借入方法です。
必要な分だけ借りることができる商品が一般的で、多くの場合は変動金利です。
ただし、現在の住宅をすでに売りに出している場合などには利用できないケースもありますので、事前に金融機関へ確認することが重要です。
⑤ Home Equity Loanを利用する
現在の住宅のEquityを担保として、まとまった金額を一括で借りる方法です。
Bridge Loan、HELOC、Home Equity Loanでは、金利、手数料、返済期間、返済方法、審査条件などが異なります。
ローン担当者と比較し、ご自身の買い替え計画に合う方法を確認することが大切です。
7.簡単なケーススタディ
たとえば、次のようなケースを考えてみましょう。
現在の住宅
市場価値:$1,500,000
住宅ローン残高:$500,000
単純計算では、
$1,500,000 − $500,000 = $1,000,000
のEquityがあります。
次に購入したい住宅
購入価格:$1,800,000
現在の手元資金だけでは十分な頭金を用意できない場合、現在の住宅を先に売却すれば資金を確保できます。
しかし、その間に希望していた住宅が別の買主へ売れてしまう可能性もあります。
Bridge Loanを利用する場合
現在の住宅のEquityを活用 、 次の住宅を購入 、 新しい住宅へ引っ越す 、現在の住宅を売却 、売却代金から既存ローンとBridge Loanを返済
という方法を検討できます。
Seller Lease Backを利用する場合
現在の住宅を先に売却 、売却後も一定期間その住宅に住む 、売却資金を使って次の住宅を購入 、新しい住宅へ引っ越す
という方法も考えられます。
どちらが適しているかは、現在の住宅のEquity、売却市場、次の住宅の購入時期、ローン条件などによって異なります。
8.買い替えで大切なのは「売却と購入を一つの計画として考えること」
住宅の買い替えでは、
「現在の家をいくらで売るか」
と
「次の家をいくらで買うか」
を別々に考えるのではなく、一つの資金計画として考えることが重要です。
現在の住宅価値、住宅ローン残高、Equity、売却後の予想手取り額、次の住宅価格、頭金、新しい住宅ローン、Bridge Loanを利用する場合の費用、売却までの想定期間、Closing Cost、Property Tax、Insurance、引っ越し費用などを総合的に確認します。
Bridge Loan、Home Sale Contingency、Seller Lease Back、HELOCなど、それぞれにメリットと注意点があります。
大切なのは、どの方法がその方の資金状況と買い替えスケジュールに最も合っているかを考えることです。
9.買い替えでよく使われる不動産・ローン用語
Equity(エクイティ/住宅の純資産)
住宅の現在価値から住宅ローン残高などを差し引いた、オーナーの持分です。
LTV/Loan-to-Value
物件価値に対する融資額の割合です。
ローン金額 ÷ 物件価値 × 100 = LTV
CLTV/Combined Loan-to-Value
一つの住宅に複数のローンがある場合、それらを合計して住宅価値と比較する割合です。
Home Sale Contingency
現在所有している住宅が売却できることを条件として、次の住宅を購入する契約条件です。
Seller Lease Back/Rent Back
住宅の売却完了後、売主が一定期間その住宅を買主から借りて住み続ける方法です。
買い替えの際に、現在の住宅の売却と次の住宅への引っ越し時期を調整する方法の一つです。
Appraisal(アプレイザル/不動産鑑定)
専門のAppraiserが物件価値を評価することです。
Pre-Approval(住宅ローンの事前審査)
収入、資産、クレジット、負債などをもとに、どの程度の融資を受けられる可能性があるかを事前に確認するものです。
最終的なLoan Approvalとは異なります。
DTI/Debt-to-Income Ratio
毎月の総収入に対して、毎月の債務返済額がどの程度あるかを示す割合です。
Closing(クロージング)
必要な資金や書類が整い、所有権移転の登記などが完了して、不動産取引が正式に完了することです。
Closing Cost
住宅購入、住宅ローン、所有権移転などに伴って発生する諸費用です。
Escrow(エスクロー)
買主と売主の間に入り、契約条件に従って資金や書類を管理し、取引を進める中立的な第三者による仕組みです。
Net Sale Proceeds
住宅を売却し、住宅ローンや売却費用などを支払った後に、最終的に売主の手元へ残る金額です。
Comparable Sales/Comps
対象住宅と似た条件の周辺物件が、最近実際にいくらで売却されたかを比較するものです。
Exit Strategy(返済計画)
Bridge Loanなどの短期融資を、いつ、どの資金で返済するのかという計画です。
10.まとめ
住宅の買い替えには、一つだけの正解があるわけではありません。
現在の住宅を売る前に次の家を購入したい場合には、Bridge Loan。
現在の住宅の売却を条件にして次の住宅を購入したい場合には、Home Sale Contingency。
現在の家を先に売却して資金を確定させながら、一定期間その家に住み続けたい場合には、Seller Lease Back。
そのほか、HELOCやHome Equity Loanなどを検討できるケースもあります。
大切なのは、現在の住宅のEquity、売却後の手取り額、次の住宅の購入価格、毎月の支払い、そして売却と購入のタイミングを総合的に考えることです。
南カリフォルニアでの住宅の買い替えでは、購入と売却を別々に考えるのではなく、最初から最後まで一つの計画として進めることが大切です。
南カリフォルニアでの住宅購入・売却・買い替えについて
「今の家を先に売った方がよいのか」
「次の家を先に購入できるのか」
「Bridge Loanが自分に向いているのか」
「Seller Lease Backを利用した方がよいのか」
「まず、現在の住宅がどのくらいで売れるのか知りたい」
など、買い替えを考え始めた段階からでもお気軽にご相談ください。
現在の住宅価値の確認から、売却準備、新しい住宅探し、購入オファー、Escrow、Closingまで、日本語・英語の両方でサポートしております。
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定のローン商品、金融機関、融資条件を推奨するものではありません。Bridge Loan、HELOC、Home Equity Loanなどの利用可否、金利、融資期間、LTV・CLTV、返済方法、手数料、審査条件は、金融機関、ローンプログラムおよび借主の状況によって異なります。Seller Lease Backについても、期間、賃料、費用負担、保険、物件の状態、退去条件などを事前に書面で明確にすることが重要です。具体的な融資条件についてはMortgage Loan Originatorまたは金融機関へ、法律・税務上の具体的な事項については、それぞれの専門家へご相談ください。