新学期だからこそ考えたい!アメリカの「学校区」と、わが家に合った学校選び

古畑亜希 

新学期が始まり、子どもたちの元気な姿をあちこちで見かける季節になりました。

この時期になると、親として気になるのがやっぱり「学校」。

特に家探しをされているご家族からは、

「この住所だと、どこの学校になりますか?」

「どこの学校区が人気ですか?」

というご質問をよくいただきます。

もちろん、学校区は南カリフォルニアで家を探す際の大切なポイントのひとつ。

でも、実際に子どもを育ててみると、私は「学校区が良い=わが家にとってベストな学校」とは、必ずしも限らないんだな、と感じるようになりました。

というのも、アメリカには、実は思っている以上にいろいろな「学び方」や「学校生活」の選択肢があるからです。

今回は、私自身が母親として感じる「学校選び」のポイントと、Torrance Unified School District

(TUSD)を中心に、意外と知られていない学校生活の選択肢について、少しご紹介したいと思います。

”まず知っておきたい「学校区」”

アメリカでは、日本のように全国一律の学校制度ではなく、基本的には住んでいる住所によって通う学校が決まります。

そのため、家探しをするときに「どの学校に通うことになるのか」は、とても大切なポイントです。

同じTorranceという街の中でも、住所によって指定される学校が違います。

でも、ここで知っておきたいのが、

「住所=その学校に必ず通わなければならない」ではない場合もある

ということ。

例えばTorrance Unifiedには、Open Enrollmentという制度があります。

Torrance Unifiedの学区内に住んでいるご家庭が、指定校とは別のTorrance Unifiedの学校を希望することができる制度です。

もちろん、希望すれば必ず入れるというものではありませんが、「住んでいる住所だけで学校の選択肢が完全に決まる」というわけではないんです。

さらに、学校区をまたいで通学するためのInter-District Permitという仕組みもあります。

こうした制度を知っているだけでも、家探しのときの「学校区」の見方が少し変わってきませんか?

「学校の時間」も、実は家選びの大事なポイント

もうひとつ、私が親目線で意外と大事だと思うのが、Bell Schedule(学校の時間割・始業終業時間)です。

「学校は朝8時くらいからでしょう?」

と思っていると、実際に新学期が始まってから、

「曜日によって時間が違う!」

「子どもによって学校が違うから、送迎が大変!」

ということもあります。

学校によってRegular Schedule、Late Start、Early dismissalなどがあり、兄弟が違う学校に通っている場合には、それぞれのスケジュールを確認しておくことが大切です。

家探しのときも、

「学校まで何分?」

だけではなく、

「朝は何時に家を出る?」

「兄弟それぞれの学校の時間は合っている?」

「放課後のスポーツや習い事には間に合う?」

というところまで考えておくと、実際に住み始めてからの生活がかなりイメージしやすくなります。

”高校生になると、さらに広がる「学び方」の選択肢”

そしてTorrance Unifiedで、最近特に注目したいのが Dual EnrollmentEarly College Program です。

Dual Enrollmentとは、高校生が高校に通いながら、大学レベルの授業を受け、条件を満たせば 高校の単位と大学の単位を同時に取得できる仕組みです。

TUSDではEl Camino Collegeと連携したDual Enrollmentの機会があり、North HighとTorrance

Highでは高校と大学の単位を同時に取得できるコースが用意されています。

そして、もう一段進んだ選択肢がEarly College Programです。

高校の卒業要件を満たしながら、El Camino Collegeの大学レベルの授業を並行して受けていきます。

しかも、このEarly Collegeが面白いところは、

North HighやTorrance Highの指定校エリアに住んでいなくても、TUSDの生徒で選考に通れば、

Open Enrollmentを利用してその学校に通いながらプログラムに参加することができます。

つまり、「どこに住んでいるか」と「どんな教育を受けたいか」を、ある程度別々に考えることもできるんです。

”スポーツを本気で頑張っている子には「ISPE」という選択肢も”

そして、今回ぜひご紹介したいのが ISPEIndependent Study Physical Education)です。

これは、学校外で本格的なスポーツや身体を使った活動に取り組んでいる生徒にとって、とても興味深い制度です。

例えば、

「学校の部活だけではなく、外部のクラブチームで毎日のようにトレーニングしている」

「競技スポーツで州大会・地域大会・全国レベルを目指している」

「学校にはない競技を本格的に続けている」

といったお子さん。そうした生徒について、一定の条件を満たせば、通常のPE(体育)の代わりに、学校外で行っている競技活動をISPEとして認めてもらえる可能性があります。

TUSDでは、単なる「趣味」や「レクリエーション」ではなく、高度なレベルで競技・活動していることが重要なポイント。州・地域・全国レベルで競技していることや、資格のある指導者による指導・活動記録なども求められます。

つまり、

「うちの子はスポーツが好きだから体育を取らなくていい」

という簡単な制度ではありません。

かなり本格的に競技に取り組んでいる生徒向けの制度なんです。

個人競技だけではなく、学校にないチームスポーツや、身体を使った高度なパフォーミングアートなどが対象となる場合もあります。

したがって、ISPEは申請すれば誰でも認められるものではなく、学校・学区の基準を満たす必要があります。

でも、こうした制度があることを「知っているか、知らないか」は、子どもの進路を考える上で結構大きいのではないでしょうか。

ここまでご紹介してきたように、Torrance Unifiedだけを見ても、

・住所によって決まる指定校

・Open Enrollment

・Inter-District Permit

・Dual Enrollment

・Early College

・ISPE

など、いろいろな選択肢があります。

そして、これは「どれが一番良い」という話ではありません。

子どもによって、向いている環境は違います。

例えば、

朝が早いほうが活動しやすい子。

スポーツを本気で頑張りたい子。

大学進学を早くから意識したい子。

高校生活と大学の授業を両立したい子。

学校以外の活動に多くの時間を使いたい子。

一人ひとり、本当に違います。

だからこそ、

「一番いい学校はどこ?」ではなく、「うちの子に合う学校はどこ?」

という視点が大切なのではないかなと思っています。

そして、それは「家選び」ともつながっています。

家を買うときは、「今この家が気に入った!」だけではなく、その家で始まる5年後、10年後の家族の生活まで少し想像してみることが大切なのかもしれません。

「学校区が良いところに住みたい」というご相談はもちろん大歓迎です。

でも、「うちの子の場合、どんな学校生活が合うんだろう?」

というところから、一緒に考えてみるのもいいと思います。

新学期が始まった今だからこそ、今年の学校生活だけではなく、これからの子どもの成長と「住む場所」について、少し考えてみませんか?

学校区のこと、Open EnrollmentやPermit、学校までの距離や周辺環境など、気になることがあればお気軽にご相談ください。

「まだ家を買う予定はないけれど、将来のためにちょっと知っておきたい」

そんなご相談も大歓迎です。

家選びは、間取りだけではなく、そこで始まる家族の生活を選ぶこと。

アメリカでの暮らしと子育てが、少しでも楽しくなるようなお手伝いができれば嬉しいです。

古畑あき(Aki Furuhata)

DRE#02249296

TEL;310-702-1018 

Email;[email protected]

このウェブサイトはサイトが適切に機能することを保証するためにクッキーを使用しています。本サイトを引き続きご利用になることで、お客様は当社のクッキー使用を承認し、同意したものとみなされます。

同意する 拒否する